省エネ基準は「最低ライン」になった。比較の差はその上の区分でつく
国土交通省の改正建築物省エネ法の案内では、原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付ける規定が令和7年(2025年)4月1日施行とされています。いま見積を取る注文住宅は、基本的にどの会社でも省エネ基準を満たす前提になるため、比較のポイントはZEH水準や長期優良住宅など、その上の区分を取るかどうかに移っています。
情報の確認日:2026年10月12日
区分ごとの制度上の扱い(2026年に入居・着工する場合)
| 区分 | 住宅ローン控除の年間限度額(一般/特例対象個人) | 贈与の非課税限度額 | みらいエコ住宅2026事業(注文住宅) |
|---|---|---|---|
| 省エネ基準適合住宅 | 14万円/21万円(令和8・9年入居) | 500万円(省エネ等住宅の基準に満たない場合) | 対象外 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 24.5万円/31.5万円 | 断熱等級5以上かつ一次エネ等級6以上なら1,000万円 | 40万円・35万円(子育て・若者夫婦世帯、注文住宅は9月30日で受付終了) |
| 認定長期優良住宅 | 31.5万円/35万円 | 省エネ等住宅の基準を満たせば1,000万円 | 80万円・75万円(子育て・若者夫婦世帯) |
| GX志向型住宅 | 区分は認定・性能の内容による | 同上 | 125万円・110万円(全世帯) |
出典:住宅ローン控除は国税庁No.1211-1、贈与は国税庁No.4508、補助はみらいエコ住宅2026事業。補助額の左は1〜4地域、右は5〜8地域です。
本稿の計算
2026年入居・特例対象個人に当たらない人・年末残高が毎年3,500万円以上ある場合、ZEH水準(24.5万円)と省エネ基準適合(14万円)の控除限度額の差は年10.5万円、13年で最大136.5万円です。実際には残高が年々減り、所得税額の制約もあるため、この差は上限の目安です。ZEH水準にする追加工事費が136.5万円を超えるかどうかを、見積の差額と並べて確認します。
ハウスメーカーの見積で確認すること
- 提案の断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級を、仕様書・計算書の数字で示してもらう
- ZEH水準・長期優良住宅を取る場合、評価書や認定の申請費用が見積のどこに入っているか
- 太陽光発電など設備で一次エネ等級を上げる提案は、設備の更新費用も30年の修繕費に入れる
- 2026年1月以降、省エネ基準適合住宅で住宅ローン控除を受けるには検査済証が必要書類に加わる点
相談先・申込先の選び方
省エネ基準への適合確認は建築確認・検査の手続きの中で行われ、具体的な審査は確認検査機関や設計者が担います。本稿は各制度の公開情報を並べたもので、特定の性能を勧めるものではありません。性能の数字は設計者に、税の扱いは税務署に、補助の可否はみらいエコ住宅2026事業の事務局と建築会社に確認してください。
- 国土交通省:令和4年改正 建築物省エネ法等について
- 国税庁 タックスアンサーNo.1211-1(住宅の新築等をした場合の住宅借入金等特別控除)
- 国税庁 タックスアンサーNo.4508(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税)
- みらいエコ住宅2026事業:新築の対象要件
確認日:2026年10月12日。国税の要件・期限は税制改正で変わることがあります。補助は予算上限に達した時点で受付が終わります。ここに書いた数字は確認日時点のものです。
費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。