住宅ローン控除の上限は「住宅の省エネ区分」と「入居年」で決まる
同じ借入額でも、建てる家が認定長期優良住宅かZEH水準か省エネ基準適合かで、毎年の控除上限が変わります。見積を比べる段階で、各社の提案がどの区分になるかをそろえておくと、控除額の差まで含めて総額を比較できます。
情報の確認日:2026年10月12日
控除率は年末残高等の0.7%。控除期間は区分により13年または10年。2024年以降に入居する新築の「その他の住宅」(省エネ基準に適合しない住宅)は、一定の時期までに建築確認を受けたもの等を除き対象外です(国税庁No.1211-1)。
2026年・2027年に入居する場合の控除限度額
国税庁No.1211-1(令和8年4月1日現在法令等)に掲載されている、年間の控除限度額です。「特例対象個人」は、年齢40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、または19歳未満の扶養親族がいる人を指し、年齢等は入居年の12月31日時点で判定します。
| 住宅の区分 | 控除期間 | 年間の控除限度額 | 特例対象個人の控除限度額 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 13年 | 31.5万円 | 35万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 24.5万円 | 31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅(令和8・9年入居) | 13年 | 14万円 | 21万円 |
| その他の住宅 | 0年(一定の場合のみ10年・14万円) | 0円 | ― |
なお、国税庁のページでは、令和8年1月1日以降に「特例認定住宅等」(床面積40㎡以上50㎡未満の認定住宅等)に入居した場合は、特例対象個人の上乗せは適用されないと注記されています。床面積が50㎡未満になる計画の場合は、上乗せを前提にしないでください。
控除限度額を控除率0.7%で割ると、控除の対象になる年末残高の上限に相当する額が分かります。31.5万円÷0.7%=4,500万円、24.5万円÷0.7%=3,500万円、14万円÷0.7%=2,000万円、21万円÷0.7%=3,000万円です。
例:2026年入居・ZEH水準省エネ住宅・特例対象個人に当たらない人で、年末残高が3,800万円の場合、3,800万円×0.7%=26.6万円ですが、上限の24.5万円までとなります。同じ人が省エネ基準適合住宅を選ぶと上限は14万円で、1年あたり10.5万円の差です。実際の控除額は所得税額などで変わるため、税務署の案内で確認してください。
2028年以降に入居する場合は要件が変わる
省エネ基準適合住宅は、令和10年(2028年)〜12年の入居では原則として控除期間0年・限度額0円と掲載されています。ただし、令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和10年6月30日までに建築されたものは、10年間・上限14万円で控除できるとされています。工期が長い計画や、引渡しが2028年にずれ込みそうな計画では、建築確認の日付を契約前に確認しておきます。
新築で控除を受けるための主な要件
- 住宅の新築等の日から6か月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること
- 床面積50㎡以上で、2分の1以上を専ら自己の居住用に使い、その年の合計所得金額が2,000万円以下(40㎡以上50㎡未満の特例は1,000万円以下)
- 10年以上の分割返済となる借入金があること(土地の取得に係るものを含む)
- 居住年の前2年・後3年に、居住用財産の譲渡に関する一定の特例を受けていないこと
- 生計を一にする親族など特別な関係のある人からの取得でないこと
床面積は登記簿の面積で判定されます。見積や図面の「施工床面積」とは数字が違うことがあるため、50㎡・40㎡の境目に近い計画では、登記上の床面積の見込みを設計担当者に確認してください。
見積比較で確認すること
- 各社の提案が「認定長期優良住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」のどれに当たるか
- その区分を証明する書類(認定通知書、住宅性能評価書、証明書など)の取得費用が見積に含まれるか
- 2026年1月1日以降は省エネ基準適合住宅でも検査済証が証明書類に加わる点(国税庁No.1211-1の注記)
- 補助金を受ける場合は、取得対価から補助金額を差し引いて年末残高等の上限を計算する点(補助金・贈与と控除の関係)
相談先・申込先の選び方
控除を受けられるかどうか、いくら控除されるかは、入居年・借入の内容・所得・家族構成で変わります。本稿は制度の整理であり、個別の税額を判断するものではありません。具体的な計算や必要書類は、国税庁の国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)や所轄の税務署、または税理士に確認してください。借入条件や残高証明書の発行時期は、借入先の金融機関に確認します。
確認日:2026年10月12日。国税の要件・期限は税制改正で変わることがあります。ここに書いた数字は確認日時点のものです。
費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。