補助金と贈与を使うと、住宅ローン控除の対象額が小さくなることがある
住宅ローン控除の「年末残高等」は、ローンの年末残高の合計額です。ただし、住宅の取得対価(費用の額)が残高より少ない場合はその額になり、その取得対価からは補助金等の額と住宅取得等資金の贈与の特例の適用額を差し引くと、国税庁No.1211-1に注記されています。
情報の確認日:2026年10月12日
計算の順番
- 住宅(土地を含む場合はその分も)の取得対価・費用の額を出す
- 補助金等の交付額を差し引く
- 住宅取得等資金の贈与の非課税特例を受けた額を差し引く
- 2の結果と、ローンの年末残高を比べて小さい方が「年末残高等」
- 年末残高等×0.7%と、区分ごとの控除限度額を比べて小さい方が控除額の上限
本稿の計算
前提:土地1,500万円と建物3,300万円の取得対価4,800万円、みらいエコ住宅2026事業の補助80万円、贈与の非課税1,000万円、借入4,000万円、2026年入居、長期優良住宅、特例対象個人に当たらない。
- 取得対価から差し引き:4,800万円-80万円-1,000万円=3,720万円
- 初年の年末残高を約3,920万円と仮定すると、小さい方の3,720万円が年末残高等
- 3,720万円×0.7%=26.04万円。限度額31.5万円以内のため、控除額の上限は26.04万円
借入4,000万円のうち、取得対価等を超える部分は控除の計算に使われません。贈与を受けた分だけ借入を減らすと、利息の負担も減ります。どちらが有利かは金利・所得税額・手元資金の必要性で変わるため、比較は個別に行います。
資金計画書で確認すること
- 建築会社が作る資金計画書の「控除見込み」が、補助金・贈与を差し引いた後の額で計算されているか
- 補助金が工事代金に充当される場合も、交付額として差し引く対象になるか(税務署で確認)
- 土地を先に買う場合、土地の借入が控除の対象になる条件(No.1211-1の要件4:土地の取得に係るものを含む一定の借入金)
相談先・申込先の選び方
補助金・贈与・住宅ローン控除の組み合わせは、取得対価の範囲や交付時期で計算が変わります。本稿は国税庁の注記にもとづく計算順の説明で、個別の控除額を確定するものではありません。確定申告の内容は所轄の税務署(国税相談専用ダイヤル 0570-00-5901)または税理士に、補助金の交付額と交付時期は建築会社と事務局に確認してください。
- 国税庁 タックスアンサーNo.1211-1(住宅の新築等をした場合の住宅借入金等特別控除)
- 国税庁 タックスアンサーNo.4508(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税)
- みらいエコ住宅2026事業:新築の対象要件
- 国税庁:税についての相談窓口
確認日:2026年10月12日。国税の要件・期限は税制改正で変わることがあります。補助は予算上限に達した時点で受付が終わります。ここに書いた数字は確認日時点のものです。
費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。